うさぎの歯(切歯・臼歯)の不正咬合のお話
お知らせ 2015.07.15
梅雨らしい天気も明け、うだる様な暑さが続いていますね。ワンちゃんの飼主さん(特に短頭種の)、熱中症には気を付けてください!
もちろん、動物を管理する我々人間の方も気をつけないといけません。
少し間が空いてしまいましたが、前回の続きでうさぎの食餌に関してです。
乾草を主体にして、ペレットは少量にしてほしいというのは、前回お伝えした通りなのですが、その理由をお話ししたいと思います。
うさぎの歯(切歯・臼歯)は常生歯と言って、常に伸び続けます。
それを外界では草や樹木の皮などを食べることにより摩耗して削っていきます。
乾草は摩耗する時間も長く、また栄養価も少ないので体を維持するには大量の乾草を必要とします(自然界で摂取する食物と似ていると言ってもいいかと思います)。
それが、常生歯にはとてもいいことで、不正咬合の予防になるのです。
人間の感覚だと少量で栄養価が高い方がいいのではないかと思ってしまいますが、うさぎにはその考えが当てはまりません。
また、ペレットは堅いハードタイプだと歯が摩耗されて不正咬合にならないのではないか?と思われる方もいると思いますが、近年固すぎるペレットは臼歯の歯根膿瘍等の根っこのトラブルを引き起こすと言われています。
なので、総合すると固すぎない栄養価の少ない(高繊維)の食餌が口腔内のトラブルを一番少なく出来るということになります。
そうなるとしつこいようですが乾草になるわけです。
もちろん、動物と生活する以上、食餌はコミュニケーションの1つですし楽しみでもあります。
果物やドライフルーツを全面的に否定をしているわけではないですが、うさぎの場合は犬猫よりも食餌が問題になることが多いことをご記憶しておいてもらえればと思います。