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動物の抗がん剤治療について

お知らせ 2015.01.18

今年も寒い時期になり、関節痛や膀胱炎の診察が増えています。人もインフルエンザ大流行。皆さんも、体調管理にお気をつけください。

今回は前回の続きをお話ししたいと思います。“抗がん剤”本当にこれほど悪い印象を持たれている単語もなかなか無いのではないかな?と思います。
おそらくは副作用のせいだと思われます。残念ながら、時代が進んでもやはり抗がん剤に副作用は起こりえます。
なぁんだよぉと、思われたと思いますが、やはりそこのリスクはしっかりと皆さんに覚えていただきたいと思っています。

ただ、人と動物の化学療法は異なることがあります。
人の場合、完治を目的として腫瘍細胞がいなくなるぐらい多くの量(高容量)で使用してその後、薬や骨髄移植(←これが出来るのが大きい)などで改善させていく、という方法が用いられる事があります。この場合もちろん高容量なので副作用も強くでます。
動物の場合、この方法は人と同じ治療が出来ないのでほとんどされません(その代り完治に持っていけないのですが)。なので、使用量は動物のほうが少なく(割合で)よって、副作用は出にくくなっています(脱毛はほとんどおきませんしね)。

後もう一つ、悪性腫瘍はそれこそ何十種類と種類があります。
抗がん剤に抵抗する悪性腫瘍、とても効きやすい悪性腫瘍と色々な種類がありますので、それを見極めて治療方針を決めていくのも大事になってくるかなと思っています。
なかなか、抗がん剤が効きにくい悪性腫瘍に積極的に化学療法を行うのは抵抗がありますし、逆にとても良く抗がん剤が効く悪性腫瘍に、副作用が怖いからと全く何もしないのも、すこし心苦しいものです、獣医師としては。
このあたりをきっちりと説明して、飼い主の皆様に必要以上に抗がん剤を怖がらず、冷静に治療方針を考えてもらえるようにするのも私達獣医師の仕事だと思っています。


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