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“BRAF”マーカー(正確には遺伝子変異)測定のお話

お知らせ 2017.03.21

ご無沙汰しています。最近は更新が滞ってしまって申し訳ありませんでした。スギ花粉も飛び回り、すっかりくしゃみが当たり前の時期になりましたね。スギ花粉症の同士の皆さん、もう少しの辛抱です、頑張りましょう。
以前、AFPという腫瘍マーカーのお話をさせていただきました。
今回はそれに続く第2弾といった感じのお話です。
人の医療では腫瘍マーカーと言われるものが何種類も存在ししていて、現在では早期発見や再発の確認などで通常の診療で測定されています。
動物も犬の肝細胞癌に対してAFPという腫瘍マーカーが臨床で応用されるようになり、針生検せずともかなりの確率で癌細胞と推測できる場合が出てきたのですが、今回は“BRAF”と言うマーカー(正確には遺伝子変異)が測定できるようになりました。
これは前立腺癌、移行上皮癌という尿路系の腫瘍に対してとても有効なの判断基準になります。
ちょっと専門的なことになるのですが、移行上皮癌はその腫瘍の性質上、体の外から針で刺して検査するのが難しい腫瘍です。尿にその細胞が出てくることは出てくるのですが、尿に曝された細胞は変形してしまい、悪性なのか炎症なのかが判断に困ることがよくあります。その時にこの“BRAF”遺伝子に変異がある細胞があるかないかで、腫瘍を強く疑えるか否かが判断できるのです。
少しずつですが、着実に動物医療も進んできている事が実感できる検査項目が出てきています。

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